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穏やかにゆっくりと体を鍛えるヨガ

 ヨガにはいくつかのスタイルがありますが,REMEDYではヨーガ療法(Yoga therapy)と呼ばれる「心と体の不調改善と健康増進を目的としたヨガ」をお伝えしています.ヨーガ療法には心身の不調を改善し,健康を増進するための技法として3つの柱,体操法,呼吸法,瞑想法があります.なかでも体操法は,体の健康の回復や,体を通して心へと働きかけることを目的としており,呼吸法や瞑想法を準備する基礎的な技法と考えられています.


 ヨーガ療法の基礎となる体操法には,ヨガで一般的にイメージされるようなポーズだけでなく,リズミカルに体を動かす穏やかなエクササイズや,動的ストレッチングのようにゆっくりと体を動かし筋肉を伸ばすもの,穏やかなゆっくりとした筋トレのようなものなど,複数の種類の運動があります.ヨーガ療法士はこうしたエクササイズをクライアントの心身の状態やヨガの目的によって選び,組み合わせることでクライアントにとって効果的なヨガを提供しようと努めています.


 ヨーガ療法の体操の中でも「穏やかなゆっくりとした筋トレ」は,肩こりや腰痛,姿勢の改善に役立つ筋力を養うために行われますが,体操をした方から「簡単な動きなのにじんわ

り効きますね.意外とキツくて驚きました」という声を聞くことがあります.体操自体は,足を上げ下げするなど,簡単でシンプルなのですが,ゆっくりと呼吸をしながら,筋肉を緊張させ続けて運動を行うため,単純で簡単な動作なはずなのに意外とキツいと感じるようです.


 ヨーガ療法の「穏やかなゆっくりとした筋トレ」は,自分の体の重みを使って,持続的に力を入れてゆっくりと筋肉を使うことで,軽い運動でも効果的に筋力をアップできる「スロトレ(スロートレーニング)」とよく似ています.スロトレでは,運動中に力を抜かずにゆっくりと動くために筋肉の緊張状態が続きます.すると筋肉の血流が制限されて酸素が不足するため,ゆっくりとした運動にも関わらず,筋肉はまるで激しい筋トレをしたのと同じような状態となります.スロトレによる筋肉への刺激によって,筋肉を増やし新陳代謝を促す成長ホルモンが分泌されることで,筋力アップにつながります.ヨーガ療法の「穏やかなゆっくりとした筋トレ」は,スロトレと同じように自分の体の重みを使い,ゆっくりと筋肉を緊張させながら運動することで成長ホルモンの分泌が促進し,筋力を増強させると考えられます.


 安定した姿勢を維持し快適に動くために必要な筋肉は,体を支えるだけでなく,ホルモンのように体に必要な物質を分泌したり,熱を生み出したり,血流を促進するなど,私たちの健康に大切な役割を担っています.残念なことに加齢とともに筋肉は減少してしまいますが,幸いなことにいくつになっても筋肉は運動によって増えることが分かっています.ヨーガ療法の「穏やかな筋トレ」で筋力をアップさせ,みなさまの健康づくりのお手伝いができれば,と思っています.

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